恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第28章 アオイハル、跳ねる / 🌊✳︎✳︎
「ん…口を開けろ…ああ、そうだ…」
「はあ…義勇さ…ん…」
啄み、歯列をなぞり、深く深く舌を絡ませ合う。
大好きな彼との口付けはいつだって心地がいい。
義勇さんは普段とても寡黙なタイプだ。だからかこうして体を重ね合わせる時はほんの少しだけ饒舌になる気がする。
「…下もいれたい…いいだろうか」
「え……下って……あ…」
2本の指がするりと抜けると、代わりに彼の昂りがそこにゆっくりと押し付けられた。
「義勇さん…入ってくれるのは嬉しいんですけど、ここでは…その…あれもないですし…」
「あれ……」
彼がしばし逡巡する。ああ、と思い当たるとシャワーの蛇口をきゅっと閉める。
「すまない。性急すぎた…」
「いえ……」
ゆっくり見上げると、髪のいたる所からポタ…と水滴が彼の体に落ちていた。
いつもまとめて結んでいる長い髪は、ペタッと肩にたれ下がっており、普段の彼とは雰囲気が全く違ってドキッとする。
「お前はかわいいな」
「え…どうしたんですか?義勇さん…」
彼の口からあまり聞き馴染みがない言葉が紡がれてびっくりした。
「言いたくなっただけだ」
「ん……」
そして顎を取られて、深いキスをされる。