恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第27章 炎柱から次期鳴柱への就任祝い / 🔥
「そうだ、これやるよ」
かき揚げを食べ終わった宇髄さんが隊服の胸ポケットから2枚の紙を取り出す。
「え!これ、よろしいんですか?」
おう、と頷く音柱。それは七瀬が観たいと言っていた活動写真の券だった。
大人気で連日の動員がほぼ満員の恋愛物らしい。
「嫁達が3人で観に行って、全員泣き腫らして帰って来た。女には評判の活動写真らしいぜ」
「こっちが本来の就任祝い」
「ありがとうございます……」
この人のこう言う所、本当にかっこいいなあと思う。
———後日、俺は恋人とこの活動写真を観に行った。
七瀬より泣いてしまい、彼女にからかわれた。
これはあまり大きな声では言えない話だ。
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俺は鳴柱の桐谷巧。柱になりたてのひよっこだ。
———けれども。
「鬼の存在を全く知らない方達が、当たり前に”また明日”と言える日々を守れるような柱になりたい」
煉獄さんにあの日伝えたこの思いを背中の”滅”の字に乗せて。
今日も明日もその次も……
“悪鬼滅殺”
——雷刀に刻まれたこの志と共に、鬼を狩りに行く。
〜巧エンド〜
end.