恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第6章 近くて遠い未来を思う / 🔥
「良い提案がある。鬼にならないか?七瀬。そうすれば俺と共にいられるが……」
恋人が私を見て、フッと笑う。この顔すごく好きだなあ。
「うーん、そうだね。今はまだ覚悟が決まらないけど……」
彼の耳元に右手と口を寄せてこそっと呟く。
「承知した。その時を楽しみにしておこう」
彼がそう言った後、私の唇に口付けがまた届いた。杏寿郎からの3度目の口付けは、とてもとても深かった。
牙を極力あてないようにしてくれる気遣いが嬉しい。
「七瀬の唇は、本当に甘いな」
そのまま私は愛しい杏寿郎との口付けに溺れていった。
“いつか私が鬼になったら………杏寿郎のお嫁さんにしてね?”
それは鬼狩りの私から鬼の彼に贈る宵闇の誓い。
end