恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第26章 ファーストオレンジアロマ / 🎴✳︎✳︎
「これ塗ったら七瀬はもっと甘くなるかな?」
「それ、マーマレード??」
うん、と頷く炭治郎。小皿にほんの少しだけ橙色のマーマレードが載せてある。
待って…今塗るって……。
「やっぱりここだな」
「あ…待って……」
「ダメ、待たない」
人差し指でマーマレードを掬うと、炭治郎は私の蕾にそれぞれ塗り、そして口に含んだ。
「うん…やっぱり甘くなった…」
「あ…やん…ダメ」
ひんやりとしたマーマレードが蕾とその周りを包む。
「まずはこうやって…」
彼の舌がマーマレードを伸ばす。
「で…こうして…」
「だから…ダメ…やめ…て….」
「これで…終わり」
「あん……」
一回一回吸われ、最後は彼の舌で優しくなぞられ、ちゅっ…と蕾を吸い上げられると、それをもう1つの蕾で繰り返される。
「ごちそうさま」
私の両頬を包んだ彼がまた唇に綺麗な弧を描いた後、小さなキスをくれる。
「……もう…大人になりすぎ……」
「ん?そうか?」
よしよし、と頭を撫でられた。
「置いていかないで」
急に彼が遠くなった気がした私は炭治郎にぎゅっ…と抱きつく。
「置いてなんていかない。俺はずっとここにいる」
そう言って、私を抱きしめ返した。
「七瀬のここにもずっといる…」
「あ……」
私の胸の谷間、心臓に当たる部分にキスを落としてくれる。