恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第23章 秋 in 恋愛 / 🌊
〜義勇から見た景色〜
「言葉足らず」「寡黙」「何を考えているかわからない」
……これが周囲に与える俺の印象らしい。
「冨岡先生はきっと心の中でたくさん考えているんですよね。それを選んで言葉に出すと言う事が、難しいだけですよね?」
一度だけ、こんな事を言われた事がある。
そう俺に言ってくれた彼女は一年前、キメツ学園に非常勤講師としてやって来た沢渡七瀬。
不死川の幼馴染、と言う女性だった。
俺はこの時からきっと彼女が好きだったのだと思う。しかし、思いを伝える事はなかった。
それは彼女の左薬指に婚約指輪が光っていたから。
サウダージ……郷愁、と言う意味らしい。
と、言う事で。
ここから彼女との思い出を振り返ってみようと思う。