恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第22章 令和の師範と継子 ③ / 🔥
次の週の土曜日。PM4時
ピーピーピー……。
「あ、出来たみたいですね!」
鍋つかみをした七瀬がレンジを開けると、出来上がる前から香っていた匂いが更に部屋の空気に流れ込む。
「わあ!とっても美味しそうですよ!」
彼女はその匂いの元であるプリンケーキを両手に持って俺に見せると、一層笑顔を見せた。
『杏寿郎さん。私も今度一緒に作りたいです。さつまいもプリン』
『……では来週早速作るとするか!』
先週、俺が作ったプリンを食べた七瀬との約束で、今週は撹拌したさつまいもを使い、プリンケーキを共に作った。
「粗熱が取れて冷蔵庫に入れなきゃだから……夕食後のおやつに丁度良いですね!」
「そうだな」
「後30分したら入れるとして……。あ、そうだ。杏寿郎さん、一緒に考えて頂けたら嬉しいなーと言う事があるんですけど」
ん?何だ?
七瀬はソファーに座ると、そこに置いていたトートバッグから一枚の用紙を取り出し、それをこちらに差し出して来た。
隣に座った俺は紙を受け取り、どれ……と目を通す。
「現国の向井先生から出された宿題なんです」