• テキストサイズ

恋はどこからやって来る?(短編・中編)

第71章 右手に陽光、左手に新月〜水柱ver.〜 / 🌊・🎴



「だってあの人、置物みたいじゃない?」

「あ、はは…置物、かあ…」

相変わらずの無一郎の毒舌に炭治郎は苦笑いである。

「あ、炭治郎。それよりこっち見てよ。僕に合う椿油ってどれかな?」

「うーん…そう言われても俺もよくわからないんだけど…」

切り替えが案外早い無一郎に戸惑いながらも、陳列してある椿油に視線を向けた炭治郎。

どれも同じ品に見えるのだが、どうやら髪がまとまる【しっとり】した物と、爽快な気分が味わえる【さっぱり】した物に分かれているようだ。

「時透くんは朝起きた時、髪がどうなっていたら嬉しいんだ? 」

「え? 髪の状態? 考えた事なかったなあ。そうだね、僕は…」

髪を一房つまんで、擦りあわせたり、上下に動かして感触を確かめる無一郎の顔は、天才剣士ではなく、等身大の十四歳だ。





「お待たせ…炭治郎オススメの【しっとり】にしたよ」

「七瀬、義勇さんに渡す物も同じ【しっとり】にしてみた」

来店時に見せていた浮かない表情の霞柱はどこにもおらず、そこには炭治郎と同じように、にこやかに笑う少年がいた。
これには霞柱の継子も目を見開き、驚きの表情を見せている。

「竈門くんって人たらしなんだね…」

「うん…そうか、も」

こうして義勇の椿油を無事購入した七瀬は、炭治郎と共に水柱邸へと帰宅した。

帰り道の途中、以心伝心にも立ち寄り、義勇の好物の塩大福を購入しようとしたが、こちらは人気故に今日は手にできず。
代わりに三色団子を購入した。






「ただいま戻りましたー! 」

午後一時半過ぎ、昼食を済ませた二人は水柱邸へ到着し、門扉をくぐる。段々と当たり前になってゆく水柱邸での日常の風景。

飛び石を気分よく踏み締めて歩く七瀬は、椿油を渡した時の義勇の反応を色々と予想しているようだ。

「(師範、受け取ってくれるかな…炭治郎に渡してもらったら上手くいくかな?)」


/ 1053ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp