恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第20章 令和の師範と継子 ①/ 🔥✳︎✳︎
「自信がないと言ったさっきの君とは大違いだな。よもや鬼の血鬼術か?いつぞやの大蛇討伐の時にあったが…」
え?まさか!
「違います!ちゃんと私です……」
「どうだかな?」
やや疑いの眼差しを向ける彼に今度は私が慌てる番だ。
「ん?」
首を傾げて、私の目をじっと覗き込む恋人。
だから、その目はダメ………!
逸らそうとすると、顎を取られてキスをされた。ちゅっ……と吸い上げられて、彼の顔が離れて行く。
「………大人をからかうと、こうなる。わかったか?」
「はい……」
ミイラ取りがミイラになっちゃった……。
「やっぱり杏寿郎さんには敵いません……」
「そうか?」
フッと笑う彼。
「さて、俺はもっとかわいい君を見たいのだが…」
「え……はい……」
「………良い返事だ」
彼が私に再度キスを落とす。それが濃厚な夜の始まりの合図だった。
何度も啄み、舌を絡めあった後は彼の舌が私の歯列を丁寧になぞる。ん……気持ちいい…これ、好きなんだよね、私。
お互いの唇が離れると、再び2人を繋ぐ透明な糸が姿を見せる。
「これって橋みたいじゃないですか?」
「ん……?ああ確かに。そうかもしれないな」
私と杏寿郎さんしか作れない橋…なんてね。
彼からのキスが降ってくる。おでこ、両瞼、鼻、両頬…と口付けの雨が続けば、最後は唇にちゅっ…と可愛いキスをくれた。