第70章 七支柱春药 〜弍〜 / 🌫️・💎・🌊・🐍・🍃・🔥・📿
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「…どうしても、ですか」
「ああ、どうしてもだ」
このやりとりをするのは何度目なのだろう。七瀬は先程からずっとそんな事ばかりを思っている。
「俺に触れられるのは嬉しいと言っていただろう」
「言いましたけど…」
ちら、と彼女は自分の体のとある所に目をやる。義勇と肌を合わせている時からずっと湿っている場所だ。
「恥ずかしいです」
「今更何を言う。もうとうにそのような事はしている」
ここに触れられるのは恥ずかしさの段階が一気に上がる。七瀬は義勇がそこに近づくと予想しただけで、頭からつま先まで羞恥心が一気に駆け抜けた。
自分の上から覆い被さる義勇の顔は、常に真剣だ。濃紺の双眸からは変わらず情欲が浮かんでいる。
「すまない、限界だ」
「あっ、ちょっと…! まだ、心のじゅ…」
ふっと七瀬の視界から水柱の顔が消えた。次に訪れたのは羞恥心を吹き飛ばしてしまうぐらいの心地の良い甘さだった。
ぎゅっと瞳を閉じていてもしかと感じる。
小さな穴からこぼれ出ている雫を味わいながら、その周囲をあたたかな舌が柔らかく丁寧に動く様を。
「んっ、はぁ…義勇、さ…」
「今は、何も言う、な…集中させ、ろ」
「や、ん…!!」
ぴちゃ、ぴちゃとゆっくりゆっくり。義勇は七瀬の雫を己の舌で何度も絡め取っていく。
「ぎ、ゆ…!」
じゅっ、じゅっと大きな音を立てながら甘い液を吸い込んだ義勇は、伸びて来た七瀬の右手を柔らかく掴んだ。
「…いれても良いか」
「…え…うぅ、んー」
「? どっちなんだ」
「きて…ほしい、です。もっと…あなたと…気持ちよく、なりたいから…」