第70章 七支柱春药 〜弍〜 / 🌫️・💎・🌊・🐍・🍃・🔥・📿
「これはどうだ」
「えっ、あの、だめ! そこは…!!」
義勇は、体を少しだけ屈めると彼女の乳房に顔を近づけた。
「この体勢ではここに触れる事が難しいな」
次の瞬間。
七瀬の体が浴槽から少し浮いたかと思うと、次の瞬間には縁の所へ座らされており——
「丁度…よくなった」
「んっ…はぁ」
乳輪に義勇が吸い付くと、それからはひたすら丁寧に愛撫が続いた。吸われていない方の先端は彼の掌に包まれており、こねたり擦られたり。
「…? 義勇さ、ん。どうしたんで、すか?」
「いや…」
こんなに妹弟子は愛らしく、可愛い女だったのか。義勇は目の前の七瀬をじっと凝視する。
「そんなに見られると…恥ずかしい、です」
「見ていたいと思ったから、そうしているだけだが」
『…ダメだ、これ以上この人の目を見ると気持ちが制御出来ない…!』
ぎゅっと両目を閉じた七瀬はくるりと後ろを向いた。
ゆっくりとまぶたを開けば見えるのは、浴室の引き戸だ。
のぼせる前に出よう。
浴槽の縁に右足を上げようとすると、後方から義勇の両腕が七瀬を引き留めた。
「義勇さん…! のぼせ、そうなので離して…くれません、か」
「そうだな、お前の言う通りだ」
あっけなく水柱の両手から解放された七瀬は、こう続けた。
「明るく…ない…所なら、大丈夫…です」
「承知した」
★
「こんばんは、とみ…義勇、さん」
「怪我はしていないか?」
「はい、今日は市中の見回りだけでしたので…」
二日後の晩、七瀬は蟲柱である胡蝶しのぶとの見回りを終えた後に、再び水柱邸を訪れていた。
隠の清野は既に就寝している時間であり、門扉の前で数分待っていると、義勇自らが出迎えてくれる。
「鎹鴉って本当に良い伝令役ですよね」
「そうだな」
「…」
「…」
二言、三言交わした二人は直ぐに無言になった。
義勇があまり喋らないと言う気質なのもあるが、今夜はこれから二日前の続きと言わんばかりの情事の為、七瀬は緊張を隠せなかった。
「食ったのか?」
「は、はい? 何をですか…」
「…男だ」
「えっ…?」