第9章 あなたの愛に包まれて*後編 上* 宇髄天元
あれから…
宇髄さんがしっかり看病してくれたおかげで、私と奏真はすっかり元気になった。
そして案の定、宇髄さんは私と奏真の風邪をしっかりもらい(主に私の?)寝込む事になってしまい…。
勿論私が宣言通り全力でお世話させて頂いた。
『てんげんおにいちゃんおねつさがったー?』と、奏真が1時間ごとに宇髄さんのおでこを触りまくるので、ちっとも休まらないんじゃないかと内心ヒヤヒヤしていたけれど、熱は一晩で下がり、翌日にはすっかり元気な宇髄さんになっていた。
身体がとっても丈夫なのね。
その三週間後、待ちに待った三人でのお出かけを、遂に実現することが出来たのだ。
楽しみにしていた新幹線。
念願の恐竜博物館。
余程嬉しかったのか、一日中大はしゃぎで過ごした奏真。
何もかもが初めてで、きっと新鮮な気持ちだったんじゃないかと思う。
そして今、私達は帰りの新幹線に乗っているところなのだ。
「寝ちまったな」
「ふふ、大はしゃぎでしたからね。疲れたかもしれません」
「着くまで寝かしとくか」
「そうですね。宇髄さん、今日はありがとうございました。すごく楽しかったです」
「おう、また連れてってやるよ」
「はい、楽しみにしてます」
今日だけじゃない。
またこんなに楽しい日を過ごせるんだと思うだけで嬉しくなる。
次はいつだろうな。
その時私達結婚してるのかな。
…はっ!
そしたらもうただのお出かけじゃなくて、それは家族でお出かけだよね⁈
家族ってことは、夫婦ってことで…
宇髄さんと…
わ、なにこれ…
すごい、ドキドキ…