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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第7章 あなたの愛に包まれて*中編 上* 宇髄天元



暫し、考えてみるが…
何言おうとしたんだよ、俺。
我ながら謎だ。

読めなかったから…で、何か言うはずだったんだろ?

今度、うちのが?
うちの、が…
………。

あー、分かったわ。


「それな、『今度うちの国語教師に聞いといてやるよ』って言うつもりだった」

「そうだったんですか!…え?何で言わなかったんですか?」

「だってよ、そん時俺の職業知らなかっただろ?言ったらバレちまうからよ」

「ん?バレても良くないですか?」

「バレちまったら『俺は何してる人でしょう?』のクイズができねぇだろ?」

「そんな、クイズやりたかったから黙ってたんですか?…ふふ、変なの!」

「言ったなこんにゃろー」

「あはは、やめてくだひゃいー」


「変なの」と言いやがる紗夜の頬を「このやろう」とふにふにつまんでやる。

こんなことしてるが、別に俺は全く怒っちゃいねぇ。
むしろ、戯れているみたいなこの感じが俺は楽しかったりする。

つままれながらも紗夜は笑っていて、今この瞬間、紗夜も俺と同じ気持ちだったらいいと思った。


「謎は解けたか?」

「はい、スッキリしました!」


そう言って紗夜は破顔した。
あー、俺この顔好きだ。

紗夜の眩しい笑顔につい見惚れていると、ぐるぐる回っていた洗濯機が終わりの合図を鳴らす。


「回収してきますね」

「おぉ、行ってこい」


シワになるからと、洗濯物をせっせと畳む紗夜を眺めながら思う。

ここが俺ン家だったらいいのに…

なんてことを考えながら、俺の腕の中でスヤスヤと眠る奏真の寝顔に視線を移しふと思い出す。

そういや聞くことあったなぁ。


「なぁ、」

「はい?」

「どっか行きてぇトコある?」

「ん?どっか行く…あ、新幹線乗って〜って言ってたアレですか?」

「そ、アレ。ただなぁ、俺今月末が学園祭でちょっと忙しくてな。来月でもいいか?」

「全然いいですよ!連れてってもらえるだけでもう大満足ですから!それに、うちも今月末が運動会なんです」


えー、マジかぁ。
俺学園祭じゃなくてそっち行きてぇんだけど。






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