第7章 あなたの愛に包まれて*中編 上* 宇髄天元
週明けの月曜日。
今日からまた忙しい一週間が始まる。
必要な荷物を車に乗せ、ってそんなにねぇが。
さて、行くとしますかね。
エンジンをかけようとスタートボタンに手を触れる。
あーヤベェ、スマホ忘れた。
無くたって一日くらい過ごせるが、無かったら無かったで意外と不便を感じるスマホ。
面倒くせぇが仕方ねぇ、それに…
紗夜からメール、来るかもしれねぇからな。
そんな事を思い、俺はマンションの自分の部屋までスマホを取りに行く。
土曜日のあの日、帰る間際に連絡先を交換した。
ずっと挨拶程度しか言葉を交わす事がなかった俺達。
やっと繋がれたと内心胸が躍ってた。
昨日の夜も軽くメールして、おやすみを言い合った。
それだけで、いつもより良く眠れた気がする。
目覚めもスッキリだった。
部屋に入りスマホを探す。
リビングに入ると、お、あったあった、テーブルに置きっぱなしのスマホ発見。
ポケットに入れる前に、何となく画面をつける。
メールは………まぁ、ねぇわな。
紗夜から来てるかもとちょっと期待していた俺。
乙女かっつうの!
また車に戻り、今度こそキメツ学園へ車を走らせた。
俺は美術教師だ。
基本は美術室か美術準備室で授業の準備やら何やらをしている。
だが担任も持っている為、職員室で仕事をする事も多々ある。
プリント作ったりな。
今日も昼休みは飯を食いながら、職員室で雑務に追われていた。
『宇髄先生ー、プリント集めてきましたー!』
今日の日直二人が、先週配った進路希望調査のプリントをクラス分集めて持ってきた。
因みに今現在2年の担任の俺。
そろそろ生徒の進路も固めてってやらねぇとなぁ。
それから今月末の9月30日は学園祭だ。
あと半月切ったな。
美術部の奴らの仕上がり具合も見てやらねぇと。
学園祭の展示に間に合わなかったら切ねぇ。
あー…、俺結構忙しくねぇ?
「おう、悪ぃな。ここ置いといてくれるか?」
『はーい。あ、宇髄先生今日もコンビニのお弁当食べてる!』
「お前ら教師の弁当覗き込んでんじゃねぇ!それにな、朝は忙しいの!」
『彼女に作ってもらえば?』
「……俺に喧嘩売ってる?」