第19章 進路
『…違うよ。そんなんじゃない…。』
「じゃあどうして泣いてるか教えてよ、えりかちん。」
『なっ…泣いてない…』
「泣いてるし。」
むっくんは私の涙を指で拭う。
「…えりかちん、俺が秋田行くの嫌なんでしょ?」
『…嫌じゃないよ。むっくんがバスケ頑張る為だし、応援してる…。』
「どーして俺に嘘つくの?」
『嘘じゃない…』
「俺と目合わせないじゃん。嘘ついてる。」
『…嘘じゃないってば…。』
「もー。ほんとにえりかちんって頑固。人の話最後まで聞かないで帰っちゃうしー。」
『…えっ…?』