第2章 第二章迷える子羊
審神者としての生活も慣れた頃、私は現世での身辺整理を終えた。
時の政府が用意してくれた最新の医療施設に通いながらも、懇意にしていた主治医の先生にも病気を診てもらっていた。
けれど、体調も安定していたので転院する手続きをしなくてはならない。
けれど現世に来るときは護衛が必要なのだけど。
選ぶ刀を間違えたわ。
「見て、素敵」
「かっこいい!モデルかしら!前にいるおばさんと知り合いかな?」
おばさん…。
女子高生からすれば私はおばさんにはいるのか?
まだ二十代前半なんだけど。
「ないない、あんな冴えない地味なおばさんとありえない!」
「一緒に歩くだけでも身の程知らずよね!」
グサッと刺さる。
確かに色白であるし、引きこもり生活が長いのと、抗がん剤の所為で顔色も良くない。
対する二人はどこぞのアイドル顔負けの美しさで動きも洗練されている。
「二人共、折角だから見物して来たら?」
「俺達の仕事は君の護衛だ」
「そうだよ、護衛が傍を離れてどうするの」
は?」
そう言いながら乙女の夢、顎くいをされてしまい。
「いやぁぁぁ!そんなおばさんにやめてぇぇぇ」
「ブス専だったなんて」
あんまりじゃないか?
確かに美女ではないけどそんなに美醜が酷いのか。
「主、どうしたんだ」
「いえ、世の中不公平と思って」
泣きたい。
まぁ、私の周りにいる男性陣はイケメンだった。
解るよ!
解るけどね!
「君は十分綺麗だよ」
「嫌味に聞こえるし、空しいからやめて」
刀剣男士達は主に甘い。
時と場合によrけど雛鳥を慈しむかのように甘すぎる。
特に本霊である源氏組に織田が組の一部の刀剣男士は甘すぎる。
私を綺麗だとか可愛いと言うけど。
お世辞で言われているのは理解しているし、身内の贔屓目だ。
「こちら宗三、今のところ問題ありません」
「こちら薬研、こちらも問題ない」
「長谷部だ。主の近辺に危険な輩は容赦するな」
何をやっているのか!
今日は病院に行くから少人数の護衛で良いと言ったのに。
「隠密行動だ」
「抜かりはありませんよ」
前々抜かってるだろ!
周りが黄色い悲鳴を上げているのに何故気づかない!
特に宗三のフェロモンで多くの女性がパタパタ倒れているの解ってんの?