第10章 初遠征
「そろそろかな。」
間もなく部隊が遠征へ出発する
見送りをしようと主の部屋へ訪れると、大きな鞄を抱えた主が慌ただしく部屋を出てくる所だった
「忘れ物ないかな?大丈夫かな!?」
「えっ、主、その大荷物持って遠征行くの!?」
真っ直ぐこちらをみてコクリと頷く主を見て
盛大にボケをかましている訳ではなく
本人は至って大真面目なのだと悟る
「どこかに旅行へ行く訳じゃないんだし、その大荷物どうにかできない!?」
はぁ、と清光は小さな溜息を零す
「おやおや、これはまた…」
重そうなの持ってるね、と近くを通り掛かった髭切が騒がしさを察知してこちらへやって来た
「何が必要か分からないし!着替えとかメイク用品とか…」
当然持っていくのだと平然な顔をして、ガサゴソと大きなカバンを開いて漁る主
見かねた清光と髭切は目を合わせて、コクンと小さく頷き合う