第7章 Stand By You-あなたのそばに-
「そこは頷いてはいけないところだろう(笑)男は狼なんだよ?」
抑制がきかなくなりそうになっていた自分が言うのもお門違いだが、これ以上触っては本当に最後まで止められなくなると思い、着衣を直そうとTシャツに手を掛けた。
「やっぱり……魅力ないですか……?」
しゅんとした顔で唯が呟いた。
その呟きを聞いて、一瞬ポカンとしたが苦笑しながら眉間に手を置いた。
「あのね……魅力がなかったら私は君に触れてないだろう?…寝ている間に触ってしまったのは申し訳ないと思っているんだ…。」
「じゃあ何でもっと触れてくれないんですか…?」
「それは……これ……ると…もう……」
夏油の声が小さくなり、下を向きながらゴニョニョと話すので聞こえず上体を起こした。
「傑先輩、怒ったり泣いたりしませんから…ハッキリ言ってください!」
唯がそう告げ、覗き込めば顔を赤らめた夏油の姿があった。
「す…すぐるせ…」
「~~~あぁもう!!」
唯が名前を呼ぶ前に手を伸ばされ、夏油の腕の中にすっぽり抱き締められた。
「?????///」
「これ以上君に触れたら止まらなくなりそうだから我慢したんだよっ!…ちゃんと大事にしたいと思ってはいるんだけど…」
腕の中に抱かれているから夏油の表情は見えない。
だけど、声色から恥ずかしいのか照れているのか普段とは違う感じがした。