第12章 私の過去
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《X772年…私が10歳の時》
子供ながらも村で唯一の魔導士だった私…だからといって邪険に扱われるわけでもなく村人全員が仲良かった。
そしてある日私は村の外れにある廃神社で運命の出会いをした。
そう…私にあの魔法を教えてくれた……鬼との出会い。
聞けばその鬼は思念体だった。
絆の魔法を誰かに授けるために残っているのだという。
絆の証であるはずの魔法で人は次々と命を落としていく…そのせいでその魔法を人に授ける鬼がいなくなったとか。
でも私の出会った鬼は絆を残したくて思念体になってまで現世に残っていた。
そして当時お人好しの性格だった私はその鬼に絆の魔法を教えてもらうことにした…
絆の魔法は失われた魔法…ロスト・マジックの一種。
そう簡単に取得できるものではなかった……
数ヶ月後…廃神社に通いつめた私は無事魔法を取得した。
でもその後すぐに鬼の思念体は消えてしまった
ある言葉を残して……
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「その姿には上位互換が存在する…お主ならいずれその姿にたどり着くかもしれん。だがお主の大切な人を守るというその気持ち…その気持ちがあればきっとその姿を扱える。精進せよ人の子よ」
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私は思いもよらなかった…数年後まさかあんなことになるなんてね。