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【鬼滅の刃】after story【闇を照らして】

第1章 闇を照らして 祝言



緊張も勿論だが、杏寿郎の普段とは違う姿にドギマギしていた月奈は優しい言葉に顔を上げた。先程まで跳ねていた心臓が今度はきゅうっと縮まるように苦しくなった。愛しい、自分の身体がそう言っているようだった。

(そうだわ。今日からはこんな風に傍でずっと、二人で生きていくんだわ)

一人で生きていくと決意して歩いたこの道、光が見えずに闇雲に進んでいた自分。一度ならず何度も何度も闇から救ってくれた人。その人が自分を愛し、今こうして目の前で手を取ってくれている。ここから先、一人で歩くことは無いのだ。

「杏寿郎様が居てくだされば私は大丈夫です」

そう言った月奈は浮かぶ涙を見せないように笑った。
その表情は悲しい表情ではなく、本当に幸せそうな表情で安心した杏寿郎もつられて笑う。

煉「今日から改めてよろしく頼むぞ」

月奈は杏寿郎の手を握り返し、はいと頷いた。




祝言【完】
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