第4章 夜想曲/ポアロの彼と名探偵と
引っ越しの挨拶という設定で三軒を回ることになった
一軒目は豊北さんのアパート
ドアが開いた隙にコナンが家の中に入り込み、テーブルに置いてある食事や食器の位置を確認してきたようだ
二軒目は降屋さんのアパート
帰宅したところに出会って、明日出て行くからとゴミ出しを頼まれた
コンビニ弁当ばっかりのゴミ…
三軒目は手川さんのマンション
ライターをやっているようで、ここでもまた牛丼のゴミばかりの大袋を捨ててきてと頼まれた
ごみ収集業者じゃないんですけど…
「で?探偵のコナンくんは三軒回って何を見てきたのかな?」
「リュウは何を見た?」
いやいやいや、見たい事あったけど、急に家の中に飛び込んで行ったり、家の中をじろじろ見たり、子ども二人でそんなことやってたら怪しいじゃん?
だからもう一軒目に家の中に飛び込んだ時点で全てあなたにお任せしましたー
「あ~ごめんごめん…」
「ぜってー悪いと思ってねぇだろ」
「それで、誰が強盗犯だかわかったの?」
ゴミ置き場に牛丼のゴミだらけの袋を捨て、挨拶回りと称した捜査に一息ついたところで、犯人を一番知りたがっているであろう芹奈さんが尋ねてきた
「うん、もちろん!でも教えられないけどね」
「オレも、お姉さんには教えない方が良いと思う」
芹那さんはその場凌ぎの計画性のないものばかり
強盗犯の3人に復讐ができたら後はどうでもいいって感じで、自殺する気でいるんじゃないかな
鑑識や刑事としてこういう人達を今まで何人も見てきたから、なんとなくわかる
それに樫塚の部屋から持ってきたであろう拳銃3丁、1丁は事務所での犯行に使われ、2丁はグローブボックスに入っているとコナンが言う
きっとこの拳銃で…
「教えてあげてもいいよ?……僕の推理に納得して、犯人を警察に任せて自首してくれるって約束してくれるなら」
本当かどうかはわからないけれど、芹奈さんが了承してくれたので車に乗りながらコナンの推理を聞くことにした
その前に携帯を確認すると、透兄ちゃんから1通メールが入っていて、
『そっちに向かう』
とのこと
場所も何も教えてないけどわかるのだろうか?
樫塚の部屋から何か証拠が出てきてオレ達が向かっているであろう場所が特定できたとか?
透兄ちゃんが来てくれるなら心強い
運転中な気もするけど、オレも一応場所と車種と色を返信しておいた