第10章 ストラップの行方
零の言葉に子ども達は、取引が済んだらそのストラップは捨てられてしまうんじゃないかと慌て出す
逆にコナンは絶対に捜してやるという顔で、各々役割を振り分けていった
「こうなったら手分けしてさっきの男を捜すっきゃねーな!安室さんはこの海水浴場の出入り口を見張ってて!おめーら3人はさっき見た男の特徴を周りの人にも聞こえるような大声で伝えて回るんだ!」
光彦は警察官ではないから耳を貸してくれなそうと心配するが、コナンはオレ達が子どもだから多少のことは多めに見てくれるし、体が小さい分人混みをすり抜けて捜し回れるから警察官よりも有能かもしれないと言う
警察官(しかも公安の)2人を目の前によく言うよ…
「見つけたら手を出さず探偵バッジで俺に知らせるんだぞ!」
「「「オーッ!」」」
3人はバラバラに分かれ駆け足で人混みへと入って行った
「で?オレはどうすればいい?」
「リュウは売店の見張りを頼む」
売店……あぁ、そういうことか!
「明らかに海に似合わなそうな格好で売店に入って、着替えを買って行く人を見つけたら連絡すればいい?」
「あぁ」
ストラップを取った男はスーツを来ていた
あまりにもこの場に合わない服装をしていては目立つし、子ども達がその特徴を叫んで回っていては見つかる前に着替えざるを得ない
そうなれば売店に寄って着替えを買うに決まってるし、ズボンは更衣室じゃないと着替えられないと思うから…
「じゃあコナンは更衣室前に待機かな?」
「さすがリュウ…」
「でしょ?」
名探偵にさすがと言われ口角が上がる
オレだって刑事してたんだ、どこに張り込めば良いかくらい検討つかなきゃな
「フ…まるでベイカーストリートイレギュラーズを手足の様に使って情報収集するシャーロックホームズのようだ…」
子ども達がいなくなったからか零のコナンに対する口調が少し変わった気がした
それとも子ども達が警察官より有能と言われたから仕返しでもしようとしているのか…
「でも意外だったよ。友達が落としたストラップの為に君がこんなに必死になるとは…」
「ああ、ちょっとワケありでね…」
零に対するコナンの口調も変わった
それに、やっぱり哀ちゃんの機嫌を気にしていたのにはワケがあるみたいだ
そこまでして哀ちゃんに求めることって例の解毒薬だろうけど、元に戻りたい理由ってなんだろう…?