第8章 嘘の裏側/緋色シリーズ
零の圧力に負けた神立さんは観念して真実を話し出した
神立さんが夏子先生に採点の間違いを指摘した時に「アメリカ時代の癖で」と笑ったのが事の発端だったようだ
日本とアメリカで採点の仕方が違うのを知らなかったと言う神立さんだが、その時はカッとなってしまって〇とペケが逆さになっていることに気付けなかったらしい
そして盗難されたと言った車は嘘で、夏子先生を乗せて運んだ証拠が見つかってはマズイと知り合いに預けたと言う
とりあえず夏子先生は殺害された訳ではないので、傷害と殺人未遂で逮捕となるだろう…
これで一件落着と思ったその時、
「昏睡状態だった渋谷夏子先生の容体が悪化して危険な状態だって!」
「えぇっ!?」
病院から学校に連絡が入ったようで女の先生が伝えに来てくれた
雷を打たれた様に目を大きく開いたジョディさんはきっと最悪の事態を想像したであろう
キャメルさんが代わりに目暮警部に病院に向かって良いか許可を求めその場を後にすることになった
ジョディさんの車にハロを繋いであるから迎えに行かなくてはと、FBIに着いて行くコナンの後を追いながら駐車場へと向かう
「リュウは病院どうする?」
「オレは透兄ちゃんがいるから別で!」
校舎を出て走りながらコナンと話す
今からの零の行動がわからず敢えて病院に行くとは言わなかったけど…このFBIが病院に向かうというのも零の作戦のひとつなのだろうか…?
「自分が運転するのでジョディさんは助手席へ…」
気が動転して事故を起こしては大変だからな、キャメルさんの判断は正しいと思った
すぐにハロのリードを車のミラーから外し、車を出せるように端へ避ける
「じゃあオレはこれで。夏子先生の回復、祈ってるから…!」
「えぇ、ありがとう…」
かなり思いつめた様子のジョディさんが心配になるが、ここからは自分の心配もしなくてはならない
「リュウ…!」
RX7の中から呼ばれ、急いで零の元にハロと駆け寄る
「急いで後ろに乗ってくれ」
「うんっ」
ハロを抱えて後部座席に乗り込むと、アクセルを踏むのと同時に探知機を投げられた
うまくキャッチをして服や鞄やハロに何も無いことを素早く確認する
「反応なし!」
「今からベルモットと合流になる。リュウは睡眠薬を飲まされ眠らされた…いいな?」
ミラー越しに合った目に思わず固唾を呑んだ
