第8章 嘘の裏側/緋色シリーズ
杯戸小に着いてオレ達は警部の後に着いていき、鑑識官が職員室の夏子先生の机の調査を終えるまで少し待った
さすがにハロは校内には入れられず、ジョディ先生の車の外で待機中
リードをミラーに引っ掛けてきたから大丈夫だと思うし、ちょうど職員室の廊下の窓から駐車場も見下ろせるから、合間を見て様子を見ようと思う
「目暮警部ありました!」
鑑識官に呼ばれ夏子先生の机に寄ると、机の上からルミノール反応が出ていた
犯行現場はこの職員室で決まりだな…
だけど殴ったであろう凶器は見当たらず、犯人が持ち去ったのだろうと、机の下など隅々までチェックをしている鑑識官が言う
廊下から様子を伺う職員達の話によると、昨夜は夏子先生以外はほとんど退勤し、体育主任の菅本先生のみ残っていたそうだ
夏子先生が職員室に残っているのは知っていたようで、8時半までは体育用具室で用具の整理をし、その後夏子先生を家まで送ろうと職員室に戻ると既にいなかったということだ
警備に戸締りを頼んで帰ったというが、一応犯人候補の一人かな…
「目暮警部、来ていただきました」
2人の男女を高木刑事が連れて来た
この2人は夏子先生と昨夜会う約束をしていた人達だそうだ
女性の方は植野さんといい、息子が将来夏子先生と結婚すると言い出し、誘惑するなと忠告に来ただけらしい
それに短いスカート、胸元の開いた服…子どもが夢中になるのも当然だと少々怒り口調で言う
言いたいことはわかるけど、子どもの言うことを鵜呑みにしすぎじゃないかと…こんな感じの親、ドラマの中だけだと思ってたよ…
男性の方は神立さんといい、娘のテストの採点で字が汚いのを理由に不正解にされたからと文句を言いに来たが、9時前ということもあり門も閉まっていて会えずじまいだったらしい
「その上妙な探偵まで雇いやがって…」
「「「探偵?」」」
目暮警部と高木刑事の声に重ねて疑問を口にしてしまった
探偵という言葉に敏感なオレ達にとっては、それぞれ少し嫌な予感が過ぎる
「あの先生の家に直接怒鳴り込んでやろうと思って跡をつけてたら、いきなり胸ぐらをつかまれたんだよ!!」
そんな突然胸ぐらを掴む探偵って誰だろ…
なんて思ったら、聞き慣れたあの声が廊下から入ってくる
「仕方ありませんよ…彼女にストーカー被害の依頼を受けていたんですから…」
零ィィィ!?!?
