第8章 嘘の裏側/緋色シリーズ
「ハロ…叶音に何かあったのかい?」
「アンッ!!」
ハロの力強い返事に、もう一度寝室に行き叶音の様子を近くに寄って見る
さっきは顔の半分まで布団を被っていてわからなかったが、布団を軽く捲ると僕の枕を抱かえ顔を填めて寝ているではないか
その姿がなんとも言えないくらい可愛いくて、ニヤけてる場合ではないが、そうなりそうな自分の口を手で覆って隠した
さて…ぐっすり眠っているのを起こしてまで聞き出すのは可哀想だと思うが、起こさないとあまりにも枕に顔を押し付けすぎていて、呼吸ができているのか心配になる
「叶音…」
「ん…」
布団に腰を下ろし頭を軽く撫でてやると、返事をするように枕から顔を出した
起きる気配はないが、枕から口が離れたから呼吸は大丈夫そうだ
そしてようやく見えた頬に手をやると、目尻や目頭からほんのり涙の道が見えた気がした
もしや泣いていたのか…?
それでハロも心配をしていたのかもしれない
徹夜明けで疲れて寝てしまっただけではないのか…僕のいない間に、一体何が…?
ポケットからスマホを取り出しシドの見守り映像を確認するが、以前叶音が寝込んだ時とは違い通常のハロ用の設定だから足元ばかりが映っていてよくわからない
気になるが、起こすのはやめておこう…
それよりも一緒に寝てやった方が良さそうだと思い、一旦叶音から離れた
ラフな服に着替え、そのまま寝てしまっても良いように周りを整え、叶音を起こさないようそっと布団に入った
僕の枕は返してもらえそうにないから腕で枕を作り、反対の腕は叶音を包む
「っ…ん…」
冷たい自分が布団に入ったから起こしてしまっただろうか
薄ら目が開き目が合った気もしたが、また閉じていく
その少しの仕草でさえ愛おしいと頭を撫でながら自分の胸に寄せようとしたが、叶音の抱える枕が邪魔をする
「すまない叶音…枕取るぞ…」
「ん…?」
腕から枕を引き抜くと、目を擦り、まだぼんやりしている目でこちらを見つめる叶音
今度は完全に起こしてしまったかもしれない
「れぇ…?」
「ただいま。起こして悪かった…」
ポンポンと頭に手をやると、目の前で見つめてくる目に涙がじわりと溜まっていく
「どうした…?」
今度はきちんと叶音を胸に抱き寄せた