第31章 千咒
関東卍會と六波羅単代を同時に叩く。
それが千咒率いる梵の目的だ。
「花垣、DES・Rowのに会わせて欲しい」
目の前の千咒は、特服に身を包んでいる。
「…え」
「東卍とデス・ロウは親交があったんだろ?ドラケンに頼んでも"今のアイツには会うな"の一点張りなんだよ」
「あ、会ってどうするの?」
「どうするって、会ってみたいだけだよ。それに、皇帝はマイキーと仲良かったんだろ?」
「まあ、そうだけど」
「なぁ、頼むよ花垣」
「うっ……」
ふさふさの睫毛に囲まれた大きな瞳。
この瞳で頼まれると、情けないがオレは断れないんだ。
「……わかった、聞いてみる」
「いらっしゃいタケミチ君〜!この間ぶり」
「お久しぶりです……って、何してるんすか」
「ん?暇だから似顔絵大会してたの。………よし!雪村描けた〜」
「お!イケメンに描いたかー?っておい!お前わざとキモく描いただろ!」
「はぁ!?酷くない!?俺の絵がキモいって言うのかよ!ていうかお前が描いた凛の方が気色悪いだろーが!」
「岩淵はさすがにうまい、さすが美術部」
「え、岩淵さん美術部なんすか…?」
千咒を連れて廃ビルに来れば、この間の出来事が嘘みたいな、昔のDES・Rowのような雰囲気で楽しそうにしているさん達がいた。
「で、その人がなんちゃらマンの首領?」
「瓦城千咒だ」
「はい。いらっしゃい。です。
で、可愛らしい女の子がこんなとこになんの用?」
そう言ってさんがニコリと微笑む。
瞬間、千咒が飛びかかった。
「千咒!?」
速い。