• テキストサイズ

【男主】長編【東京卍リベンジャーズ】

第6章 隠密



「お前は部下の借金を肩代わりしたい、俺らはお前が欲しい。ウィンウィンだろう」

繋がった。
きっとさんは、部下の借金のかわりにデス・ロウを抜けてヤクザの元に身を売る。
そこでヤクザにまわされて、屈辱を受けて、きっと自害したんだ。

「じゃあな、早いとこ抜けてこっち来いよ」
「…」

ヤクザが去った後も、さんは動かず足元を睨みつけている。

「っ…くそっ………」


「!」
「泣いてる、よな…」

ああ、確かに泣いている。
どれほど大人びていても、色気があっても、皇帝と呼ばれても、
中身はまだ中学三年生。

「どうする、タケミっち」
「…マイキーに相談してみよう。俺たちみんなで、さんを助けよう」
「助けるっつったって相手はヤクザだぞ、どうすんだよ」
「…………」

ただヤクザの相手をするだけならまだしも、話を聞く限り先にやらかしたのは間違いなくデス・ロウ側だ。
部下による多額の借金。これがさんの身を封じている。

部下の不祥事の落とし前をつける。
その使命のために自分自身の人生を捧げる。

そんなの、15歳の少年が背負うにはあまりのも重すぎる。


俺たちは一度戻り、マイキー君たちに相談した。
この件は他言無用、ヤクザが関わってるだけに慎重に動くことになった。







「あっ、三ツ谷くん、いた!」
「おう」

約束より10分早くは来た。

「俺のが先に来てると思ったのに、早いね三ツ谷くん」
「たまたま早く起きたからな」
「優しいんだね」

そういって微笑みかけてくるの顔が直視できない。
一つ一つの言葉に胸が高鳴る。

「手、繋ぐ?」
「何が悲しくて男同士で手繋ぐんだよ」
「…そっか」

思ってもない言葉が口をついて出てくる。
ふと顔を見たら、少し悲しそうな顔をしていた。
冗談なのか、わざとなのか、それとも。

「わっ」
「お前、どっか行きそうだから。一応な」
「…」

目を逸らしたの顔が、ほんのり赤く染まっていたように見えて、俺は何かを期待してしまった。


「みて!アルパカだよ〜!三ツ谷くんそっくり」
「どこがだよ」
「まつ毛が長いところ!三ツ谷くん、本当まつげ長いよね」

それはお前だけには言われたくない



が来たがっていた場所は、動物園。
/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp