第27章 篝火
「はは、なるほど。俺も万次郎も、基本的にバッドエンドなのね」
ふふっ、と皮肉めいた笑いと共に握っていた刀を鞘に収めた。
話してしまった。全て。これまでの事も。
千冬をみると、身体を震わせ、口を手で抑えていた。
だから話したくなかったんだ。
「ありがとう、話してくれて。
ごめんね手荒なことして。
前から君は、絶対何かあると思っててさ。
でもまさか、ねえ…タイムリープ………。なるほどなぁ、じゃあ君は俺よりずっと年上なんだね」
「し、信じてくれるんですか…?」
「信じるよ。君はそんな嘘をつくような人間じゃない」
その言葉にほっと胸を撫で下ろした。
だがそれも束の間。
「で、気になったんだけど。
俺と雪村が死刑囚なのはわかったけど九条は?」
ハッとして顔を上げた。
そうだ、オレはマイキー君の事でいっぱいいっぱいで見逃していた。
「………すみません、わかりません。」
「………そう」
現代では九条さんの名前は報道されていなかったし、誰からも九条さんの話を聞かなかった。
しかし、あの九条さんがさんの傍にいないのは通常ではありえない。
誰もがそう思うくらい二人は常に行動を共にしているし、傍目でわかるくらい信頼しあっている。
さんが九条さんの目の前に立った。
「なあ、なんで未来のお前は俺の側にいないんだと思う?」
「……わからない」