第26章 慟哭
「…千冬、さっき怖かった。俺が悪かったけど、もうあんな怒り方しないで」
「皇帝がオレの何にビビることがあるんすか」
「んー…なんだろ、普段優しい人が怒ると怖くない?しかも千冬目つき悪いから余計に」
「悪かったですね目つき悪くて。
逆にさんはプルプルしてて可愛かったなぁ。マジの喧嘩の時はクソ程こえーのに」
「あ、あれは…抗争の時とかは違うじゃんか…」
「ぷっ………はぁ、もう全部が可愛い、好きすぎる。でもオレ、さんとの初エッチはめちゃくちゃ優しく抱いてやろうと思ってたのになぁ」
「なにその勝手な妄想!
…でも、本当にごめん。無理やりあんなこと…」
「いや、あれはあれで興奮するからよかったです」
「お前そういうとこあるよね」
喧嘩の後の和やかな談笑に花を咲かせていると、急に体が浮いた。
「うわっ!なに!?」
「はは、マジで軽いなぁさん」
所謂お姫様抱っこをされた。
年下の男に軽々抱き上げられ若干男としてのプライドが傷つけられるが、正味今更だ。
そのまま布団の上に優しく落とされ、千冬が覆いかぶさってきた。
「え?なに?なにしてるの?」
「さっきの続き。全然足りないし、散々好き放題してくれたお返しですよ」
「え、ちょっ…!んぅっ……」
唐突な、貪るような深い口付けに蕩けそうになる。
暖かい舌に口内を犯されて身体中が火照るのを感じる。
「さん、心から愛してます」
手と足をついて、後ろからの激しい突き上げを受け止める。
「あ゛ッ!!あ゛ぁっ、!!はぁ、あああっ!!」
「…ッはぁ、声エロすぎ…」
「も、むりぃ、ッあ゛!?」
「さん、バック好きなんすね、、めっちゃ声でてる……」
後輩に後ろから突かれて屈服させられるのは嫌いじゃない。でも千冬の顔が見えないのは寂しい。
振り向いて、千冬に訴えかける。