第24章 世代交代【第4部】
ここは八王子の廃ビルの一室。
もうお馴染みとなっている場所だ、
やたらとでかいテレビで協力ゲームをしている九条と、デス・ロウNo.3の雪村。
その様子をみているとドラケン。
更にその様子をみるオレ。
「九条どこいってんだお前!」
「こっちのが近道」
「やーい下手っぴ〜」
「うっせえ!」
約束して集まった訳ではない。
暇を持て余した奴らがたまたま同じ時間に同じ場所に来ただけだ。
ここにいるのは全員中3の代。
「お前ら、卒業したらどーすんの?」
唐突だが、かねてから気になっていた事を投げかけた。
「俺とと雪村は同じ高校いく」
「ドラケンと隆くんは?」
「オレらは高校には行かねえ。そんな金ねーし、それぞれやりてぇ事もあるからな」
「ふぅん、金出してあげよーかぁ?」
「殺すぞ」
がデスクから立ち上がり、九条の傍に近づく。
そのまま九条のすぐそばの膝掛け部分に腰を下ろして九条を見下ろした。
「お前はさ、死ぬまで俺についてくんだよな?」
「あたりまえでしょ」
九条の返事を聞き、満足そうな表情を浮かべたあと黒い髪を優しく撫でた。
映画のワンシーンみたいだ。こいつら二人が揃って何かをすればそれだけで絵画のように美しく、その光景は見ていたくないと思った。
「みてみな、俺こいつらバカップルとこれからも一緒なんだぜ?色々つれえわ」
「雪村、お前も可愛がって欲しいの?」
「あーあー、いくらお前の面が良くても、俺はお前らと違ってホモじゃねーから勘弁」
「へえ、じゃあ今から試してみる?」
そういって雪村からコントローラーを奪い、机に置く。
「あ、ちょ!返せ!」
「ちょっと黙れよ」
言葉を強くし、ゆっくりと雪村の膝の上に跨り首の後ろに手を回す。
あいつらの真横にいる九条の顔がやばいことになっている。ついでにドラケンから呆れたような視線を感じて、やばい顔になってるのはオレもだと自覚する。
「だから、俺はホモじゃねえって…!」
「ならなんで顔逸らすんだよ。俺の目を見ろ、雪村」
「っ〜〜〜!」
あれほど自分はホモじゃないといっていた雪村だが、顔も耳も熟したリンゴのように赤く染まっている。