第23章 関東事変
「万次郎の学ラン、なんか新鮮だね。うちブレザーだから羨ましい」
「お前学ラン似合わなそうだしな」
「そんなことないでしょ!特攻服似合ってますってみんな言ってくれるもん!」
「セーラー服のが顔にはあってんじゃねーか?」
「は!」
まるでいつもの万次郎みたいだ。辛くてたまらないくせに。
でもきっと、こうして普段通りにしている方が彼の救いになるのだろう。
「ね、学ラン貸して!」
「はあ?」
「俺も着てみたいんだって、いーでしょ?」
「はぁ。汚したら犯す」
「ぜってー汚さない!」
なあ、万次郎。
どんなに辛くても、道は間違えるなよ。
東卍が解散したと知ったのは、その数日後だった。