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【男主】長編【東京卍リベンジャーズ】

第22章 愛を




「あ、隆くん!」

家を出ると、オレが出てくるのを待っていたがそこにいた。
顔を見るなり、花が咲いたようにパァっと笑顔になった彼が誰よりも可愛いと思った。

「悪い、少し遅れた」
「いーよいーよ、急だったし。じゃ、行こっか?」

どちらともなく手を繋ぐ。


今日は日曜日。
『隆くん、会いたい』
「いいぜ、いつ会う?」
『いま』
「は?」
『家の前、いる』

どこか沈んだ声で、急な誘いを受けた。
最愛の人からの誘いを断る訳がなく、急いで支度した。
気落ちしているようだったのが嘘みたいに、いまは隣で楽しそうに歩いている。

「お前ピアスあけねーの?」
「え、やだよ、怖いじゃん。痛そうだし」
「刺青のがよっぽど痛えぞ」
「刺青?隆くんどっか入れてるっけ?」
「おう、ここにな」

そういって自分の頭部を指さす。

「へ?髪の毛で見えないじゃん」
「ドラケンとデザイン被ったから、髪の毛伸ばして隠せって言われたんだよ」

笑い話のつもりで、半分笑いながら話したのにの顔は笑っていない。

「どうしたんだよ」
「ドラケンとおそろいなの?」
「おそろいって…たまたまデザイン被っただけだっつうの」
「ドラケンと付き合ってるの?」
「それはマジで無理」

そっか、と小さく呟いて、先程より元気を失った様子のの顔を見る。眉が八の字になって、どこか気落ちしているのが伺える。

「…お前」
「なに?」
「ヤキモチ焼いた?」
「!?」

バッと勢いよく顔を上げ、顔を真っ赤にしてる様子を見る限り図星だろう。

「お前かわいすぎ」
「!か、かわいくないしっ…」

そういって顔を背けるが愛おしい。

「…そういえば、そのピアスずっとつけてけれてるよね」
「ん?ああ、そりゃあな。お前がくれたやつだし」

左耳に飾られている、黒に白のラインの入ったピアス。
今やオレのトレードマークといっても過言でないものになっている。

「ふふ……好きっ!」

そういって手を繋いだままグッと腕にしがみついて来た。
そういう期待をさせるような事をしてくるからこいつは本当に悪魔だと思う。


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