第20章 招かれざる客
「……隆くん」
「ん」
「もっと、激しくして。お願い、優しくしないで。乱暴にして、俺の事」
その言葉に内心少し動揺する。
「そうしたら、お前は満たされんの?」
「うん。俺は酷くされたい」
そう言って、求めるような眼差しでオレを見る。
こいつの闇が垣間見えた気がした。
オレは、の唇に優しくキスを落とした。
「……隆くん」
「悪いけど、それは聞けねえ。俺はお前に優しくしたい」
「…意地悪言ったくせに」
「悪かった。これでも嫉妬してたんだぜオレ」
少しいじけたようなの細い髪を、くしゃっと撫でる。
綺麗だ。白い肌も、先がツンとした形のいい鼻も、人形みたいな目も。
誰もが目を奪われる美しさを持っている。
持っていながら、本来得られるであろう幸せを掴まない。
掴めないのではない、自らそれを拒んでいる。
何が足枷になっている?
「ねえ」
「おう」
「俺のはじめて、もらってよ、隆くん」
ああ、
オレまで涙が出そうだ。
「途中でやっぱ無理って言われても、やめねえからな」
何も言わず、穏やかな笑顔で頷いた。
「っ、はぁっ…」
「全部入った、大丈夫か?」
「うん、平気…っ」
挿れる前に十分慣らしたつもりだが、
それでも初めて挿入された後孔はキツい。
痛いぐらい締め付けてくる。
「隆くんの大きいの、俺の中に入ってる、やばいね」
「バカ、あんま煽るようなこと言うな」
「だって、幸せなんだもん、苦しいけど、それすら気持ちいいんだ」
「俺も、お前のケツがキツすぎて苦しいけど、幸せだ。幸せすぎて、現実味がねえ」
少しずつ、ゆっくり中を押し広げるように腰を動かす。
慣れてきたのか、中が柔らかくなっていくのがわかる。
「っはぁっ…」
熱を逃がすように息を吐く姿が艶めかしすぎて、頭が沸騰しそうだ。
前戯でみつけたの前立腺あたりを先でぐっと押すと、分かりやすくの腰がビクついた。
「ここか」
「あっ、あっ、隆くん、それ、やばいっ、きもちぃっ!」
こいつのケツの中がオレのを吸い上げるように伸縮するのが良すぎる。
セックスが、こんなに気持ちよくて、こんなにエロくて、こんなに幸せなんだと知った。
の膝裏からグイッと持ち上げ、ケツを高くあげる。