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【男主】長編【東京卍リベンジャーズ】

第20章 招かれざる客




「お前、よく野外であんなのできるな」
「………へ?」

隆くんが八王子に遊びに来てくれた。
今はファミレスで、俺はパフェをつついていて、隆くんはポテトを食べている。
見ていたらしょっぱいものも欲しくなって、口を開けて欲しがる素振りをみせれば、口にポテトを運んでくれた。

そんなのんびりした空間を壊すような発言に、思わず間の抜けた声が出る。


「えっと、なんのことでしょうか…」
「とぼけんな。つうか、バレるの上等でやってたんじゃねえのかよ」
「うーん、その場の雰囲気?ていうか、隆くんだって人のこといえないでしょー」
「オレはちゃんとバレないように考えてやってんだよ」

なんだそれ。

「もしかして、他にも誰かみてた?」
「さあな、他に誰もいなかったと思うけど。
オレはお前が走ってるの見かけたから、追いかけてった。
そしたら林でいきなりおっぱじめるから流石にびびった」
「あはは…」

さっきまでのほのぼのとした時間を返して欲しい。
今の居心地は最悪だ。

「お前、千冬と付き合ってんの?」
「付き合ってないよー」
「ほんと、お前…」

隆くんが額に手を当ててため息をつく。
お手上げ状態だと言わんばかりの態度だ。

「……なに、悪い?」
「なに怒ってんだよ」
「べつにー」
「ガキ」
「うっざ!今から喧嘩する!?」
「しねーよ、アホくさ」

図星をつかれてムキになる俺、軽くあしらう隆くん。
なんかわかんないけど、無性にイラッとしてしまう。

「そんなこと言いに来るためにわざわざ来たの?暇だね、隆くんって」
「まあな」
「…」

ムカつく。

「はーあ、千冬は素直でかわいいんだけどなあ。隆くんと違って」
「ふーん」
「隆くんと違って優しいし」
「なるほど?」

………………。

「もう、帰る!」
「どこに?」
「家!」
「じゃあ俺も行くわ」
「は!なんで!いれてあげない!」
「へえ、なら千冬誘ってカラオケでも行こうかな」
「っ…!わかったよ!もう!」

隆くんはなかなかの性格の持ち主だなあと改めて感じた。
千冬みたいに、転がせられない。
だから、もどかしいし、なぜだか素直になりにくい。

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