第18章 宴会
「武道くん。今回の親睦会感謝する!
勝手ながら稀咲の事を少し調べさせてもらった。
東卍に入って日が浅い、素性のしれないクソ野郎に巻き込まれた東卍もまた被害者だと俺は思う。
俺たちが失ったものは多いが…
俺は東卍を許した!
だからこの件でウダウダ言うのは終わりだ。
文句がある奴は俺に言いに来い。
それじゃ、今日はよろしく頼む!」
そういって、一礼して座り込んださんに沢山の拍手が向けられた。
なんかいいとこ全部持ってかれた気がしなくもないが、色んな意味で助けられた。
「そ、それじゃあ、今日は楽しみましょう!乾杯!」
「「「「乾杯!」」」」
「武道くぅ〜〜〜ん」
「う、うわ!さん!」
千冬や八戒、三ツ谷君達と喋ってたら急にさんに肩に腕を回された。
「ねーねーさっきのビンゴ大会オレ当たんなかったんだけどぉ?どういう事かなぁ?」
「さんがタケミっちにすげーだる絡みしてる…」
「なんだァ!?嫉妬か千冬!」
「だる!」
最初はそれぞれの勢力きっぱりわかれて座っていたが、時間が経つにつれて混ざり合っていく。
ついこの間、睨み合って、疑いあって、喧嘩しあったのが嘘みたいだ。
「…武道くん、ありがとうね」
ボソッと、周りに聞こえない声で囁いた。
「もし武道くんがこうやって親睦会開いてくれなかったら、俺たちはきっと、仲直りのタイミングを失って、ずっとギスギスしたままだったと思うんだ…。本当に、ありがとう」
「さん…」
「これからも、仲良くしようね、よろしく」
綺麗な顔でニッコリ笑って、手を差し出してきた。
俺は、その手を固く握り返した。
最後にマイキー君とさんが全員の前で握手をして、親睦会は終了。
色々と気疲れはあったが、達成感で清々しい気持ちだった。
これで未来が変わったかはわからない。
わからないけど、今日東卍とデス・ロウの人達が笑いあってた光景が、いつまでも続けばいいと思った。
第二章 ―完結―