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【男主】長編【東京卍リベンジャーズ】

第10章 千冬



「千冬くーん!来てくれたの、ありがとうね」
「すみません、遅れちゃって」
「ぜんぜん!」

さんに誘われて、八王子にやって来た。

「ふふ、君らのとこに比べたらちょっと田舎かな?」
「そんなことないっすよ、結構栄えてるんすね」
「駅の周りはね!今日は俺が色んなところ案内してあげる」

オレは今、八王子の街中をさんと散策してる。
正直現実味がない。
DES・Rowの総長、の事は中学に入った頃から知っていた。

触ってないのに敵を倒せる、光の速さで走る、身長は2mある、全身筋肉サイボーグ、毛むくじゃら等、皇帝にまつわる様々な噂が流れていたため、初めてさんを見た時は人違いだと思った。

そしてその人は今、隣にいる。

「どうしたの?俺の顔なんかついてる?」
「あ、いや…なんでもないっス」
「ほんと?ふふ、かわいいね、千冬くん」
「か、かわいい…!?」

この人は、平気な顔をして人の心を揺さぶる。
三ツ谷君がアイツは人たらしだって言ってたけど、わかる気がした。
それは、この街を歩いてても気付かされる。

「おーいぅ!うちで飯食ってけよ!」
「はは、槙野さん、今さっき食べてきちゃった。今度みんなでまたお邪魔するから、大盛りまけてね」

「くん、この間はありがとうねぇ」
「八百屋のおばちゃん、元気そうでよかったよ。もう足はいいの?」
「おかげさまで、今はすっかり良くなったよ」

「!みて!テストで100点とった!」
「お!すごいじゃん、偉いね。ほら、ご褒美の飴ちゃんだよ〜」
「わーい!ありがとう!今度俺にもムエタイ教えて!」
「ムエタイじゃない!システマ!」

商店街を歩けば、道行く人たちに声を掛けられている。
DES・Row
西東京エリア最大の暴走族であり、実態は街の治安を守っているという。
その総長は街の人達からも愛されてるらしい。

「……かっけえな…」
「んー?なんか言った?」
「いえ!どこ連れてってくれるんスか?」
「ふふ、たのしいとこ、沢山連れてってあげるね」

ホワイトアッシュの髪を揺らして微笑む姿に、何故か胸が高鳴った。

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