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【男主】長編【東京卍リベンジャーズ】

第8章 深邃



返り血だらけだったから風呂に入らせたが、いっこうに出てくる気配がない。
シャワーの音がずっと聞こえる。

もしかして、

嫌な予感が頭をよぎり、心臓が高鳴る。
急いで風呂の扉をあけた。

「!」
「あ、三ツ谷くん……」

そこには、シャワーの真下に座り込んでいるがいた。
俺の嫌な予感は的中せず、心底ほっとした。


「何してんだよ、風邪ひくぞ」

シャワーをとめて、その体を抱きしめる。

「…三ツ谷くん、濡れちゃう」
「いいよ別に。オレもついでにシャワー浴びるわ」
「え、じゃあ俺…」
「何出ようとしてんだよ。一緒に入ろうぜ。湯船浸かって待ってろ」
「…………」

服を脱いで体を洗い、の入ってる湯船に身を沈める。
こんな時なのに反応してる自分の息子に呆れてしまう。

「なあ」
「…」
「こんな時だけど、言わせてくれ。、お前のことが好きだ」
「……三ツ谷くん…」
「お前は?どうなんだよ」
「……わかん、ない」
「わかんなくねえだろ。あの日キスしたのは何だったんだよ」
「…」
「お前、どうせマイキーともキスしてんだろ。
別に、怒るつもりも文句いう気もねえけど。お前って誰とでもキスできんの?」
「違う!」
「じゃあ、教えろよ。オレの事、どう思う?」
「…………………三ツ谷くんの、ことは…」

そういいかけて、の瞳から涙が零れる。

「駄目だ。だって、俺が言っちゃったら、凛が…!」
「関係ねえだろ。お前そうやって一生自分の気持ちに嘘ついて行く気か?」
「っ…、酷いよ、三ツ谷くん、今そんなこと言わなくたって…!」
「わかってる。ズルいって、わかってる。こんな時に、しかもお前が弱ってる時に何言ってるんだって。でも、お前が弱ってるからこそ、オレはお前を守りたい」
「三ツ谷くん………」
「好きだ、愛してる」

同じ浴槽の中、濡れた皮膚と皮膚を合わせて、オレはにキスをした。

「ぁ…」
「なぁ。名前で呼べよ、オレのこと」
「……隆、くん…」
「おう。そっちのがいい」

の濡れた髪に指を絡める。
こいつの全てが愛おしいと思った。
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