第7章 新時代
「三ツ谷くん、俺、おれ…」
「大丈夫。お前は何も考えなくていい。後はオレらに任せろ、何とかする」
「どうしよう、俺のせいだ、俺のせいで…」
「馬鹿、どうみてもお前のせいじゃねえだろ」
「俺のせいだよ!!!!」
そう叫んで、三ツ谷君を振りきって立ち上がる。
そしてズボンのポケットから何かを取り出した。
「!!!駄目だ、さん!!!!」
それが何か知っていた千冬は、オレよりもはやくさんの腕を掴んで止めた。すぐさまオレも加勢する。
意外だったのは、その力があまり強くなかった事だ。
「離せ!!!俺も、凛と一緒にっ」
千冬がさんの腕から短刀を奪い投げ捨てた。
「っにすんだクソガキ!!!」
そう言うと意図も簡単に俺と千冬を吹っ飛ばし、そのままその場に力なく座り込む。
「、帰んぞ」
「……万次郎」
「相手はヤクザだ、いつまでもこんなとこにいられねえ。従業員には救急車の事伝えてある。とっととずらかるぞ」
「…みんな、帰りなよ…関係ないでしょ…俺は凛を残していけないよ………」
パシッ!と音がした。マイキー君がさんの頬を叩いたのだ。
「そいつは何のためにお前のこと守ったんだよ!ちったあしっかりしろや!」
「ま、マイキー君…!」
「………凛…」
また、さんの瞳からぶわりと涙が溢れる。
何も出来ない自分が、悔しい。
「おい、ガキ共全員座れ」
嵐が来た。
「どういう事だあ?これはよぉ」
ヤクザの仲間だろう。大人たちが拳銃を突きつけて、俺たちを座らせる。
絶対絶命だ。
「おい、。テメェわかってんだろうな」
「…………はい」
「ったくよお、台無しじゃねえか!まあ今回は許してやるよ。
せっかく手回して無理やり借金背負わしたのに全部おじゃんじゃ勿体ねぇからよ」
「…………………は?」
どういうことだ。無理やり借金を背負わせた?
「まさか、ゴリの借金……」
「んー?おう、無理やりアイツの母親に金貸したんだよ。馬鹿は上手い話によく飛びつく。あのゴリラみてぇなガキの母親はな、儲かるわけねえ株の話に飛びついたんだよ」
「……」
「母親は自殺したから、そのツケはガキに。そのガキも死んだ。親子揃って天国だ!今頃お空で何してんだろうなぁ?」