第37章 君は永遠の
雪村から連絡が来なくなって二週間が経った。
未だに返事はなく、病院にも来ていない。
「すみません、バイトで遅れました」
「おう、お疲れ」
「…………」
は相変わらずだった。
「さん、飯食いましたか?」
「いつも通り、ふた口で終わり」
「………こんな痩せてどうするんすか…」
はぁ、とため息をつきながら千冬がベッド脇のパイプ椅子に腰掛ける。
咳き込む時に僅かに声が漏れるから、声を失っているわけではないようだ。
精神科医によるカウンセリングも行っているが、まったくといっていいほど効果はない。
オレらも毎日こうして話しかけているが、うんともすんとも言わない。
いつになったら、またこいつの笑った顔が見れるんだろう。
やるせなくなって、テレビをつける。
昼のワイドショーが画面に映し出された。
それをなんとなく眺めている。内容はあまり頭に入ってこない。
『速報です。八王子市での暴力団組員による抗争により50名が重軽傷を負いました。怪我人には高校生も含まれており―――』
八王子市
暴力団組員
高校生
そのワードに、一気に意識がテレビに向く。
「三ツ谷くん、これって雪村さんが言ってたやつじゃ…!」
「ッ……!」
「雪村が、なんて言ってたの」