第7章 新時代
さんがDES・Rowを脱退したという情報は、暴走族界隈であっという間に広まった。
「オレらは八王子に行く、タケミっち達はどうする」
「もちろん、オレも千冬も行きます」
「東卍の事もあるから長くはいられねえ。短期間でケリをつけるぞ。とりあえずタケミっちの言ってたヤクザの」
「待てよ、ヤクザってなんの事だ」
振り返ると三ツ谷君がいた。
「あ、えっと…」
「は部下の借金のためにヤクザに自分を売った」
「!?」
三ツ谷君の顔が見る見るうちに青ざめていく。
口元に手を当ててなにか呟いているが、聞き取れなかった。
「…マイキー、オレも行く」
「…戦力は多いに越したことは事はねえ。すぐ出るぞ」
「おう」
「「はい!」」
しばらくバイクを走らせて、八王子に到着した。
最初にさんがヤクザと話していた場所に向かったがそこに人気はない。
さんが自死したタイミングがわからない、わからないが、宛がある場所を片っ端から探すしかない。
オレ、千冬、三ツ谷君と
マイキーくん、ドラケン君で別れて探すことになった。
「タケミっち、宛はあんのかよ」
「ら、ラブホテル…」
「は!?なんでラブホテルなんだよ」
三ツ谷君につっこまれる。
「そ、それは…」
「あ、ら、ラブホテルによくそのヤクザが出入りするって聞いたんスよ!」
千冬のナイスアシストに助けられる。
14歳に庇われる26歳、なんて情けない、けど今はそれどころじゃない。
オレたちは男三人でラブホ街に来た。
「つっても、こんだけホテルが並んでるとどこに行きゃいいのか…」
「あ!あれって」
「どうした千冬」
千冬の視線の先にはさんの側近、九条凛がいた。
九条は周りを確認するように見渡した後、とあるホテルに入っていった。
「…タケミっち、ビンゴかもな」
「ああ」
マイキー君とドラケン君に場所を伝えた後、俺ら3人もホテルに潜入した。
「なにも、椅子に縛ることはないんじゃないですか」
「はは、お前は皇帝だからな、万が一暴れたらどうにもならん。念の為さ」
神なんていない。
暴走族に入ってからそう確信したが、今その考えをより強固にした。
「服脱がしてやるよ」
「……」
ワイシャツのボタンが一つずつ外されていく。