第16章 ガレオン船
花子side
暖かい陽気に包まれゆっくりと海を渡っている。私は膝にチョッパーを乗せサンジ君が作ってくれたおやつを食べている。因みにユラは釣りに奮闘中なので後で食べるみたい。
「はい、チョッパー。あ~ん。」
「あ~…んー!うめぇ!」
膝にいるチョッパーに食べさせて上げると甘い物が好きなのかふにゃふにゃと幸せそうな顔をしていた。
「まだ食べる?」
「あ~…「おいコラ!クソトナカイ!お前の分はこっちにあるんだから花子さんのを盗るんじゃねぇ!」
「まぁまぁ、サンジ君。いいいじゃない。」
「俺は花子さんに沢山食べてほしく…ん"むっ?!」
目くじらを立ててるサンジ君を呼び文句を言っているその口にスプーンを突っ込んだ。突然の事で驚いたのか目を白黒させている。
「ねっ?美味しいでしょ?」
「…。」
私はサンジ君に食べさせた後自分の口にも入れた。うん、やっぱり美味しい。幸せな気持ちになっていると俯いたままサンジ君は黙ってしまった。
「サンジ君?」
「…った。」
「え?」
上手く聞き取れず耳を傾けると、ふるふると震えていたサンジ君が勢い良く顔を上げカッと目を見開いた。
「どうせなら俺も"あ~ん♡"ってして欲しかっ「おかあさ~ん!ユラにも~!」
丁度一段落ついたのかユラが飛び付いてきた。私は同じ様に大きく開けられたユラの口にスプーンを持っていく。
「ほら、あ~ん。」
「あ~…んっ!おいひぃ~!」
「…。」
落ちそうになる頬を押さえる様な仕草をしたユラが余りにも可愛くて私は映像電伝虫を取り出す。はぁ…私の娘が今日も可愛いっ!
「サンジのおやつはいつも美味しいね!」
「ユラのは新しくあるからそっちを食べなさい。」
「わぁい!サンジ!ユラのおやつ…サンジ?」
ユラがおやつを強請ろうとサンジ君に声をかけたら、何故か彼は膝をつき項垂れている。
「俺だって…俺だってっ…!」
「おかあさん、サンジどうしたの?」
「さぁ?」
ぶつぶつと呟いているサンジ君を不思議そうに見つめているユラの口にまたおやつを入れると、幸せそうに顔を綻ばせていた。うん、可愛い。
(おっ!美味そうなの食ってんな!)くれ!
(はいはい。)あ〜ん
(あ〜…うめぇっ!)もっと!
(?!こんのクソゴムーっ!?)