• テキストサイズ

海賊王の懐刀

第15章 ビビとの別れ


「そんな事、俺に出来んのか?」

作戦を伝えられ不安そうにしているウソップの頭を花子は優しく撫で頷く。

「大丈夫!君はやれば出来る子よ、期待してるわ!」

「よっよぉ〜し!任せろ!」

やる気を出したウソップに笑顔を向け花子はユラを甲板に下ろした。

「ユラは危ないから下がってるのよ。」

「うん!」

大きく頷くユラを確認し柵に立つ花子は印を結び口から巨大な火の玉を生み出した。しかし、それはフヨフヨと漂い軍艦をの頭上で静止しただけ。

「すっげぇ〜!」

「でも当たらねぇと意味ねぇだろ。」

「ここからよ。」

ニヤリと笑みを浮かべ花子が指を鳴らした瞬間、火の玉は弾け小さな火の玉が飛び散り軍艦を襲う。予測不可能な動きに海軍達は混乱している。

「ウソップ君!今よ。」

「おうっ!」

ウソップが南の方の軍艦に標準を合わせて砲撃する。その砲弾は見事軍艦に命中し巻き込まれた2隻目も沈んだ。

「ウソップ、お前か?!すげぇな!!」

「よ…よぉし!計算通りだ!俺にかかりゃあんなもん!」

「鼻ちゃん凄わ!やったわねぃ!南の陣営が崩れた!一気に突破よぅ!!」

ウソップの活躍により陣営が崩れ突破しようとした時、Mr.2の部下が慌てた様子で駆け寄ってくる。

「ボン・クレー様!黒檻です!」

顔を顰めるMr.2にルフィが首を傾げた。"黒檻"のヒナ、この海域を縄張りとする本部大佐だ。思わぬ強敵に一味は顔を強張らせるが、【仲間を迎えに行く】と言うルフィの言葉にMr.2は不敵な笑みを浮かべ船の縁に飛び乗る。

「…ここで逃げるはオカマに非ず!命を賭けてダチを迎えに行くダチを…見捨てて明日食う飯が美味ぇかよ!!」

「「!!」」

「いいか野郎共!及び麦ちゃんチーム。あちしの言う事よぉく聞きねぃ!」

自分達が囮になるからその間に東へ向え。無謀とも取れる彼の言葉に一味は目を見開いた。しかし、もう時間はない。麦わらの一味に変装したMr.2達の船は南の陣営へと突っ込む。予想通り軍艦は彼等を追って方向転換した。

「ボンちゃん!俺達お前等の事、絶っ対忘れねぇからなぁー!!」

彼等の覚悟を無駄にしてはならない。涙ながらのルフィの叫びに答える様に聞こえる雄叫びを背に、一味はビビの待つ東へと船を走らせた。

/ 247ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp