【ハイキュー】私の苗字は角名になるのか宮になるのか
第10章 おにぎり宮の帰り道
「でも治、若いのに凄いよね」
「そうだね~。でもリンもすごいと思うよ?」
「どうしたの?」
「何が?」
「やけに素直じゃん」
そう?と返すけど、そうかもしれない。
「さっきさ、治くんがリンに彼女いるの?って聞いたじゃん?」
「うん」
「で、高校生の頃、好きだった子は?って話になったじゃん?」
「うん?」
「私は高校生の倫太郎のことは知らないけど
治くんは私のこと、いや、私とは知らないけど。
でも、倫太郎がずっと好きだった女の子のこと知ってたんだ~って思ったの。なんか、嬉しかった」
「そ。よかった」
見上げると、満足そうな倫太郎と目が合う。
「リンがそういう子がいるってことを
話してるのも意外だった」
「いろんな人が知ってるわけではないけどね」
逆にいうと、それだけ治くんと仲良いんだってことなんだろうけど、
それについては今は触れない。
「でもね、今その子、いや私なんだけど。
その子とは会ってないって言ったでしょ?」
「うん?」
「それが、なんか嫌だった」
「……なんで?」
私が言っていることがよくわからない、という表情
眉間にシワが寄る。
そりゃそうだよね。
倫太郎はちゃんとルールの中で会話してたんだもん。