【ハイキュー】私の苗字は角名になるのか宮になるのか
第9章 角名と一緒におにぎり宮へ
「………あの~」
「はい?」
お持ち帰り待ち?のお客さんが、倫太郎に話しかける。
「あの、突然すみません。
角名選手、ですよね………?」
「あ、はい」
「あ。あっ、プライベートですよね?本当にすみません。
ただ私、角名選手のファンで。これからも応援しています……!」
「あ、ありがとうございます」
「お姉さん、角名今日初めて来てくれたんですよ!
ラッキーでしたね!」
「そうなんですね。ホント、突然すみませんでした」
「あ、いえ」
やりとりを眺めてていたけど、それだけ?
相変わらず愛想がないな。
握手でもしないの?って横から口を出す。
「えーっと、これからも応援よろしお願いします」
手を差し出す倫太郎に、お姉さんは動揺
「お姉さん、せっかくやし握手してもろとけば?!」
「えーっと、あの……」
おずおずと差し出される手を倫太郎が取って
お互いにお礼を言いながらぺこぺこし合う二人を
いいことしたな~なんて思いながら
ちょっとニコニコしたりして。
だって、好きな選手とかと握手できたら絶対に嬉しいよね?
「お待たせしました!
お姉さん、角名がいない時もまた来て下さいね!」
「あ、はい。もちろん。また来ます」
冗談を言う治くんに、お姉さんの表情が少し柔らかくなる。
商品を受け取ったお姉さんが、チラリとこちらを見るから
挨拶しなよ、って隣の倫太郎を小突く。
「えーっと、これからもおにぎり宮をお願いします?」
「あ、はい!あの、本当にありがとうございました。
これからも応援してます。………じゃあ」
最後までお礼を言いながら出て行くお姉さんを三人で見送った。