第5章 バレーを見に行ったその後

「リン、好き」



「ん。こっち向いて」





言われたとおりに向き直って



倫太郎と目が合う。





「好きだよ」



「もっかい」



「倫太郎、大好き」





満足そうに笑ってる。





「リンは？」



「んーーーー？」



「なにそれ」



「好きに決まってんじゃん。

ねぇ、来週大阪で試合なんだけど」





…………………。





「見にきてよ」





大阪かぁ


遠いなぁ～。





「遠いけど来て」





私が考えてることなんてお見通し





「なに？それとも治とデートの約束でもしてるの？」



「それはしてないけど」



「じゃあ来て」





まぁ、今の私に拒否権もない。





「………わかった」



「ありがと。チケット用意しとく」





にっこり笑う倫太郎に負けた。





大阪か、


久しぶりだな。





何食べよう？


まぁ、一人だけど。





「………新幹線予約しよ。

あれ？スマホどこだっけ？」





スマホを探す私に

自分のスマホから発信してくれる。





「あーーーー、あった！ありがと！」





見つかったスマホのホーム画面には


たった今の倫太郎からの着信と





【今日ありがとう！楽しかったわ！

来週の日曜って会える？】





あーーーー。





【ごめんね。来週は予定あるんだ。

でも、平日仕事終わってご飯食べに行ってもいい？】





治くんに返信をして



倫太郎のところに戻って





新幹線の予約をした。


（2021.6.8）