【ハイキュー】私の苗字は角名になるのか宮になるのか
第19章 仙台へ(新幹線)
北へ上る新幹線の中
プルタブが開く軽い音が二つ響いて
「お疲れ~!」
「お疲れ様です!」
女二人、
午前中からビールを流し込む。
「はあ~~。地元に帰る新幹線だけど
なんか "旅" って感じ!」
「明るい時間のアルコール、ってかさらにまだ午前中ですけど。
最高ですね~~!」
右手には缶ビール、
テーブルには、いつもよりちょっぴり高級なおつまみ。
最高!
「てかさ!結局アレどうなったの?!」
「リンの彼女ですか?」
「です!」
結局
「まだ、聞いてないです」
「え、そうなんだ」
そう。
まだ何も聞いていない。
「てっきり当日問い詰めてるものかと」
「ね。けどなんか、めちゃくちゃムカついて。
だからこっち帰ってきてから会ってません」
もちろん今日まで、倫太郎からの連絡は鬼のようにきた。
だけどあんまり返してない。
ビールをゴクゴクと流し込む。
仙台までだいたい一時間半くらい?
あっという間じゃん。
だから早めに飲み終わって
それまでに酔いを覚まさなければいけない。
「へぇ~。意外」
「何がですか?」
「や、でもそうだよね。
やっぱり倫太郎くんに彼女できたら嫌だよね」
ウンウンと頷くあおいさん
「んーーー。それもないことはないですけど」
「え?」
「いや、リンに彼女ができたことに対しても
もちろんいい気はしないですけど。
だけどそれよりも、そのことをすぐに教えてくれなかったリンに
めちゃくちゃムカついてます。
教えてもくれなかったし、お正月
私との約束を破って早めに帰ったくせにその時も言わない。
別に、私たちじゃないですか?なんなら私には彼氏もいるし。
それに、私は治くんのことその都度言ってたし
今でも言ってるのに。
そして言わなきゃ怒るのに。なんで自分は隠すの?って」
「あーーーーそっち!」
「はい」
本当にそう。
なんで言ってくれないのか。