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人々は少女を天才と呼ぶ。

第3章 白ひげの船で


「………」

世界に名を馳せる大海賊、‘四皇’白ひげ。
彼の一味を乗せる大きな船、モビー・デイック号の上で、1人の青年が物思いに耽っていた。

「エース、どうしたよい?お前が大人しいなんて珍しいねい」
「…ああ、マルコか」

そう。その青年こそ、今最も勢いのある若手ルーキー‘火拳のエース’である。

いつもは明るい笑顔の彼だが、何故か今日は、寂しげな笑みを浮かべている。
それを心配した‘不死鳥’マルコが、自ら声をかけに来たのだ。

「俺さ、兄弟が3人いるんだ。2人男で、1人女。男の方は、まーもう吹っ切れたっつーか、なんかそこまで心配してないんだ。でもさ、最近すげー女の方が心配で」
「ん?待てよい。いつも話してるルフィってのは…」
「ルフィは弟だ。」
「あー。なるほどよい」

で、なにが心配なんだい?

小首を傾げてマルコが聞くと、エースは深いため息をついた。

「そいつ、レオっていうんだけどさ。めちゃくちゃ可愛くて、頭良くて、運動もできて。とにかく完璧な奴なんだ。」

いつもの流れに、マルコは思わず苦笑する。

「いい妹を持ったじゃねぇかよい。良かったねい。」
「……でも、8歳の時に消えてから今まで、ずっと連絡がねぇんだ。」
「……!?」
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