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Smile Bouquet

第8章 大切で残酷な暖かい過去




ユリスは少し表情が暗いように見えるレティシアを見て、優しく問掛ける


ユリス
「で?何かあったのか」

レティシア
「………私は間違ってない」

ユリス
「何が間違ってないんだ?」

レティシア
「八つ当たりされたから、自分が弱いの…私のせいにしないでって」

部下
「ぷっ…それを言ったのか、レティシアは」

レティシア
「……っ…うん」

部下
「格好良いな!」



拗ねたように告げられる言葉に返事をしたのは、ユリスではなく彼の部下だった。
ゼフィランサス基地の守護官はレティシアに対して負の感情を持っておらず、皆が少女に優しくするのでレティシアはその場所が好きだった。

年上であっても自分の言いたい事を言うレティシアの発言を全員が好ましく思っており、思わず吹き出してしまったのだった


ユリス
「おら、褒めるな。お前も誇らしげにするな」

レティシア
「どうして?」

ユリス
「我慢しろ。ムカついても、言い返すな。言わせておけ」


自分もそうしてきたユリスは、少女にそう言い聞かせる


レティシア
「……出来ない」

ユリス
「ったく、お前は…」

レティシア
「だって…ユリスの事、悪く言ったから」


突然、自分がその言い返した原因になっていた事を聞かされユリスは僅かに驚く


ユリス
「俺の事?」

レティシア
「うん…ユリスがズルをして私を入れたって」

ユリス
「は…それで怒ったのか」


聞かされた事実にまたユリスが驚いていると、その隙に部下が再び笑う


部下
「ははっ、レティシアはユリス補佐官が大好きだな」

レティシア
「…うん」

部下
「可愛い娘さんですね、ユリス補佐官」

ユリス
「まぁ…そうだな」


問いに大きく頷くレティシアを見てから、部下の言葉に素直に答える。
すると、レティシアは何も言わずにユリスへ両腕を広げる


ユリス
「はぁ…」


呆れた様に溜息を零すも、ユリスはしっかりとレティシアを抱き締めてやる。
それを見たエドゥアルと部下は、ただ優しく笑み



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