第30章 貴方を超えて
それから2日後…
レティシアとルシアンは牢へ来ていた
エドゥアル
「……やぁ」
レティシア
「ったく…馬鹿やりやがって」
エドゥアル
「はは……あ、レティシアに聞きたい事が」
レティシア
「何だ?」
エドゥアル
「ブラックティアが使えなかった…何故だい?」
レティシア
「私が封じてやったんだよ、エドゥアル捕まえに行く前にな」
エドゥアル
「そうか…」
脱力したエドゥアルはコンクリートの壁に背中を預けて、自嘲する様な笑みを零す
エドゥアル
「…すまなかった…なんて言葉で許されるとは思ってない。だけど、悪かった」
レティシア
「嗚呼…ま、あれ以上罪を重ねさせなくて良かった」
ルシアン
「ちゃんと反省しろ」
エドゥアル
「嗚呼…ありがとう」
すれ違い、結局はぶつかってしまった…だが、元々は仲が良かった間柄だった為かすぐには無理でも、いつかは許せる所までは来ていた
2人はエドゥアルの牢を後にして、特別室へと戻る。
オリヴィア
「あぁ、やーっと戻ってきたわ!」
レティシア
「何だ」
ノア
「取り敢えず落ち着いたっつー事でお祝いしよ!ってなったんだ」
ルシアン
「祝いって…」
オリヴィア
「細かい事は良いじゃない!ほら、早く早く!」
ワインボトルを持ったままのオリヴィアに促され、2人は1度顔を見合わせてからその賑わいの中に入る
ルシアン
「ポルデ?」
ポルデ
「嗚呼」
ソフィア
「協力、して頂いたので…お呼び…しました」
レティシアが、そうかと答えるとノアがぐいっと彼女へ近付く
ノア
「それで?姫さんがリアムくんに、ちゅーした理由は!?」
レティシア
「そういう事っつったろ」
ノア
「そういう事…オレ、ショック…明日から休み貰って良い?」
レティシア
「大型魔獣を鎮める私達の仕事は常に人不足だ。故に却下」
ノア
「鬼!」
リアムくんの裏切り者ー、と嘘泣きをするノアをリアムが困りながらも宥めていた。
数日前までピリピリしていたとは思えない空気にレティシアは頬が緩む。日常が戻ってきたんだと