第29章 終わりにしよう
レティシア
「ジル…頼んだよ」
ジルヴァ
「にゃう!」
元の大きさに戻ったジルヴァの鼻先に額を当てながら声を掛ける。離れるのは心細いし心配だが…ジルヴァだからこそ任せられる。信頼という糸で強く繋がれた2人は誰が見たって主従関係には見えないだろう。
ジルヴァはレティシアの期待に応えようと1度咆哮してから飛び立ちポルデの元へと向かった
フェリックス
「レティシア」
レティシア
「フェリックス。…どうした?」
声を掛けられて振り向くと腕を組んだフェリックスが居た。
フェリックス
「俺も行こう」
レティシア
「は…?」
フェリックス
「君の力になりたい」
レティシア
「ふっ…指揮官がそんな私情で動いて良いのか?」
フェリックス
「君だって私情が混ざっているだろ」
レティシア
「けど、ちゃんとメディから命令されてる」
スカイブルーの瞳を、じっと見詰めたレティシアは彼の強い意志を感じ取り、仕方ないとでもいうように笑みを零す。
そして、2人は共に特別室へと戻った。
ノア
「フェリックスさん!?」
フェリックス
「俺も現場に同行する。…宜しく」
全員が驚いたものの彼程の戦力がいる事に頼もしさを感じていた
レティシア
「極力、魔力は温存しておきたい。ルシアンとリアムは危ないと思ったら迷わず下がれ」
ルシアン
「嗚呼、そうだな。俺達が無理に進むとレティシア達が魔法を使わなきゃいけなくなるからな」
レティシア
「嗚呼。けど、そこまで考えなくて良い」
ノア
「そそ!温存はしたいけど守るくらいなら大丈夫すから!」
リアム
「頼もしい…」
フェリックス
「恐らくマナの結晶に魔法がかけられているのであれば、元を叩かないと駄目だな」
リアム
「て事は、マナの結晶を取り敢えず取り返して魔力回復は出来ないって事すか?」
フェリックス
「嗚呼」
レティシア
「どうなるかは正直、想像出来ねぇが…やるしかねぇ」
レティシアの言葉に全員がしっかりと頷き、顔を見合わせる。力強く頼もしい仲間達…自然と気合いが入るようだった