第28章 大型魔獣と突然変異
メディ
「マナの結晶は力が強いからね…例え魔法でガードしていても少しづつは魔力が漏れ出ている。だが、今までのような回復力はないだろう」
リアム
「なら…あんまり使わない方が良いって…事ですよね」
メディ
「嗚呼…」
ルシアン
「だが、奴との戦闘はきっと回避できません。そうなれば魔法は必須です」
レティシア
「大丈夫だ。何とかなる…魔力が無くなる前に終わらせる」
ルシアン
「お前また根拠も無い事を」
レティシア
「ルシアン達も居るんだ。…大丈夫」
彼女の表情は真剣で巫山戯ているのではないと分かる。レティシアは本気で特別室メンバーを信頼しているのだと皆が分かり…拳を握る。
ソフィア
「私…全力で…場所、特定…します」
俯いたままだったソフィアが顔を上げ全員へ一度、視線を向けてから静かに息を吐き出す
ソフィア
「今よりも、もっと…皆さんの…役に、たちたいんです…。それに、…レティシア様を、思って…した事だとしても…やり方が、間違ってます…こんなの、レティシア様も…被害に遭うだけ、です」
自分の気持ちを長く話すのが苦手なソフィアが、メディのいる前で話している…それだけで彼女の強い意志を感じる。
レティシア
「ありがとう。…頼りにしてるぞ」
ソフィア
「はい…!」
メディ
「ひとまずは彼の居場所を特定するのが最優先だね。…それまでは極力、魔法を控えた方が良いかもしれない」
レティシア
「分かった」
その日は解散となりレティシアはユリスがいた牢で1人、膝を抱えて座っていた。
ルシアン
「…やっぱりここに居たか」
レティシア
「嗚呼」
当たり前のように牢の扉を開けて中に入ると、ルシアンはレティシアの隣に腰を下ろす。
レティシア
「エドゥアルは…何であーなっちまったんだろうな」
ルシアン
「…あの時あいつが言ってたままじゃないのか。…歪んだ考え方だけどな」
冷たいコンクリートの壁を見詰めながら2人の会話が紡がれていく